正直見たくもないという人も増えたであろう牡丹きぃさんの騒動。

さまざまな情報が錯綜している中で発信する側、受け取る側でもさまざまな対立が起きています。牡丹きぃさんが身を引く宣言をしたことで問題は収束しつつありますが、いくつか考えなければならない課題を残しているのも事実です。

今回はVtuberで問題になりがちな権利系のお話から騒動を振り返ってみようかと。特にVtuberとして活動している人、これから目指そうとしている人には重要なお話をまとめます。

また、考察系に限らず、暴露系、報道とプライバシーの問題にも触れていきます。

特定の誰かを攻撃するゴシップ記事ではありませんのでその点はご注意を。

きっかけはツイッター上の暴露から

さて、牡丹きぃさんの騒動の発端はツイッター上での「給料の未払い等に対する一連の発言(削除済み)」から始まっています。事件が起こったのは1月初旬で、さまざまな憶測を呼び炎上のきっかけとなりました。

ツイッターから運営への非難が始まって炎上→暴露動画が投稿されて別方面から炎上→復帰確定→復帰後の発言から批判動画が投稿される→すぐに引退宣言というのが簡単な流れです。

そこでまず一つ目のポイント

給料の振り込みや労働条件は所属企業に確認、問題があるなら弁護士や労働基準監督署などに相談

はい。Twitterに情報を出しても自分の運営会社などにダメージを与える行為になるため、Twitterでの暴露は止めましょう。後々話し合いをする上で大きな溝ができる可能性があります。

Vtuber界隈では自身の待遇についてTwitter上で発言し、運営会社からの歩み寄りが行われたケースもありますが…… 感情的に発言してしまうとファンが動いて炎上が拡大する恐れがあるほか、自分自身が後々不利になる発言をしてしまうこともありえます。

どうしようもない時、たとえば弁護士も味方になってくれないようなときは選択に入る場合もありますが、その前にできないことがないかを探しましょう。

そして、ファンの情報に依存し過ぎないことに注意。法律の知識がない人が知識のない人に相談しても火に油を注ぐ可能性が高まります。

話がこじれたのはきぃさんの情報を信じたファンが過激化したからでもあるのでそこは学んでおきましょう。

契約書は作ろう

はい次の問題です。問題がこじれてから話し合いが行われ、きぃさんのコンテンツを運営していた株式会社CotoITからVtuber「牡丹きぃ」 お詫びとご報告という文書が発表されています。

文章内で雇用ではなく業務委託契約を行なっていたことや報酬の支払い金額の内訳、支払い状況などにも触れられています。業務委託契約になっているため、労働基準監督署の管轄からは外れることになるでしょう。

ポイントは

契約書類を書面に残す運用をしておらず、記録の残るメッセージチャットと音声通話とで行っていた

Vtuber「牡丹きぃ」 お詫びとご報告より引用

こと。

信頼関係があれば契約書などがなくても支払いなどに問題がないケースがある一方で、信頼関係が崩れた場合に問題になりやすい部分になります。契約書がないと、当事者同士が連絡が取れない状況に陥った場合に、第三者が引き継ぐべき情報が失われる恐れもあります。

信頼関係が壊れた場合、病気や事故で連絡手段が絶たれた場合などを想定し、雇う側、雇われる側の両方が同意の上で作っておくとトラブルが減らせます。

特に個人事業主(雇われるVtuber側)の場合は契約上のトラブルが生活に与える影響が大きいため、自衛のために確認する癖をつけることは大切です。契約内容を整理して後から文書化することも、契約条件を変更していくことも可能です。

業務委託契約を結んでいる場合は個人事業主が仕事を委託されている状態になり、支払いをする人間と同等の立場になることも忘れないでください。嫌なら断れるのも業務委託契約のポイントになっていますので。

権利を譲り受けることで喋れなくなることが増えるケースも

さて、牡丹きぃさんは当事者同士の同意に基づき、牡丹きぃさんとして活動できる状態になりました。

これは牡丹きぃさんが望んだことであり、ある意味望みがかなったということになります。

が、注意したいのは契約の同意の上で譲り受けたものであり、「完全に自分が自由にできるもの」ではないということです。一から自分が作ったものであれば著作権も自分のものになり、自由にすることができます。が、そうでない場合は何ができてなにができないのかをしっかりと確認する必要がある。

権利者が同意しなければそもそも権利を持つことができないのがポイントです。きぃさんのケースの場合、権利者が「いくらお金を積まれても売らない」といってしまえば、そこでストップする可能性もあったのです。権利系の交渉をする場合は「権利者に配慮する」ことが前提になるため、配慮を欠けた行動をとれば交渉が難航する原因になります。

交渉をまとめるためには相応の金銭を支払うことや、条件面での譲歩を加えることが一般的です。金銭のみで解決ができなければ何らかの制約がつくことが多く、契約上の問題からその内容に言及できないケースも出てきます。

今回はきぃさん当人ではなく、さまざまな企業や関係者の協力で権利が譲渡された状態でした。言えないことがあってもそれを他人のせいにすることはできず、それを踏まえた上でVtuberとして明るく振舞えるのか、気持ちよく活動を継続できるのかが問われる状態だったのです。

権利を買い取る、譲り受けることは本来とても難しく、仮に成立しても不自由さがセットになることも多いものです。

信頼関係が一度壊れた(自分で壊した可能性もある)相手との取引であれば、なおさら難易度は高くなるということに理解が必要で、事態を複雑にした一因になっています。

考察系・暴露系の情報にどのように対処していくのか

問題を加速させた要因の一つが鳴神裁さんの投稿した動画です。オフパコという言葉を見てそれだけで嫌気がさしたという人もいるのでは?

動画の内容や真偽は脇におきます。関係がない第三者としては情報が正しいと断定する手段がありません。

ただ、注意したいのがオフパコ疑惑の出発点になっているのが、きぃさんの騒動できぃさんとのコラボのチャンスを奪われたVtuberが妊娠疑惑の元になる情報をリークしたということ。プライバシーに関わる情報を他人に漏らしたことになり、ここでプライバシーの侵害が成立する余地が生まれてきます。

また、推察であろうと妊娠などのセンシティブな情報を動画で公開していいのかといった道義的な問題も存在するのもポイントです。おそらく、きぃちゃんのファンがもっとも怒った部分になるはずです。

対する鳴神さんの権利になるのが「公益性のある情報の公開は侮辱罪、名誉毀損の対象にならない」などの例外措置と、プライバシー権と対を成す「知る権利」です。そもそも推測情報であるため責任を問えない……という見方もできます。

重要なのは「権利は自分で守る」必要があるということ。明らかな犯罪を除き、情報が対立しあうときは「権利者と権利者の権利のせめぎあい」になるからです。お互いの主張がぶつかった場合に行われるのが話し合いであり、話し合いで決着がつかなかった場合は訴訟に繋がる場合もあります。

同様に考えたいのが、「Vtuberに限らず、有名人やタレントがこういった暴露動画に対してどのような行動が取れるか」です。怒った、嫌気がさした……ではなく、有名人になれば誹謗中傷も含めたさまざまな情報にさらされることになります。

まず「知らなければ対処がとれない」ことにも理解が必要で、立ち回りによって影響の度合いが大きく変わるのです。

対策.話し合い

本人同士の話し合いです。まずは対話を試みて訂正してもらえないか打診してもらうのは一つの方法です。

ただし、対応を間違うとさらに問題が拡大する可能性もあります。

(なお、きぃさんの騒動で決定打になった動画が作られたきっかけはTwitter上で第三者に対して発した虚偽の発言が元で、きぃさん自身が謝罪を行なっています(参照))

対策.無視する

無視するのも一つの方法です。無理に分かりあおうとすると自分がダメージを受ける恐れもあります。

対策.ネタにする

もはやそういう情報が流れていることをネタにして、受け流してしまうのも方法です。

対策.道義上の問題を社会に問う

人道上ゆるされることなのか社会に問うのも方法です。ただし、やり方を誤ると炎上を煽る可能製があるため注意が必要になります。

対策.動画の通報を行う

YouTubeにはさまざまな規約があり、規約に違反していることが明らかであれば通報も可能です。プライバシーの侵害や著作権の侵害など、権利者でしかできない通報手段があることを踏まえ、必要であれば通報してしまうのも一つの方法です。

ただし、正当性のない通報は受理自体がされないため、正当性があるかはしっかりと確認する必要があります。

対策.警察に相談する

明らかな侮辱行為など、度を過ぎた内容は刑事罰に該当する可能性があります。警察に相談の上、警察が取り締まれないと範囲であれば弁護士に相談するのも方法になります。

対策.弁護士に相談する

弁護士に相談するのは一つの方法です。法律上の問題を整理し、どのような対処をしてくれるかを考えてくれます。

大切なのは「弁護士を経由して話し合う」など、訴訟以外の手段も視野に入ることです。特に相手との関係がこじれていると相手がどこに問題を感じているのかどうしてそのような行動に至ったか整理することが難しくなるのがポイントです。

冷静な第三者(弁護士)を挟んで話し合いを行い、合意ができなかった場合に初めて訴訟を起こすなど段階を分けるのも方法です。訴訟を起こしても100%勝てるという保証は誰にもできないため、訴訟をするのであればリスクも知っておく必要があります。

今回の騒動に関しては、妊娠騒動を含むセンシティブな情報が含まれるため、精神的苦痛を味わったことを理由に、話し合いや動画の削除依頼をかけるといったケースが想定されます。

弁護士相談のための余談

弁護士の相談は無料で引き受けてくれるケースもありますが、相談が30分単位で有料に設定されていることも珍しくなくなっています。また、弁護士によってもどのような分野に強いかが異なるので、料金表を記載しているかどうか、予約がとりやすいかどうかなど、複数の視点で比較することは大切です。

また、訴訟が起こせるか起こせないかの判断が弁護士によってかわることは良くあるので、そのあたりも予備知識としてしっておくことが大切です。儲からない仕事はしたくないという弁護士から、人権を守るためなら報酬は二の次という正義の人まで色々います。

弁護士に相談して断られたから終わりではなく、「味方になってくれる弁護士を探しまわる」人も珍しく無いのです。

支払い方法もさまざまで、分割やカード払いを受けつけている弁護士事務所もあります。

発言の影響を考えられない場合は危険信号

きぃさんの騒動の話に戻ります。今回問題が大きくなった原因の大半を占めるのが、きぃさんがTwitter上で感情的な発言を繰り返したこと、それを見たファンも釣られて感情的になったことです。

結果として、鳴神さんの介入する事態になり状況が悪化しました。

個人的には道義上問題のある動画となっている(事実であってもそうでなくてもきぃさん個人に大きな傷を残す可能性が高い)と感じていましたが、それを発信すれば炎上が加速することが予測された上、きぃさん本人が別の権利問題で戦っていたため静観することを選択しています。また、私自身が現状鳴神さんに何かを言う気もありません。

どうしようもないときに助けを求めることは必要です。が、助けを呼ぶ場所は重要で、きぃさんの場合はツイッター上で多くの情報を発信した結果、憶測を呼び、ファンだけでなく多くの権利者から疑念をいだかせる結果になりました。

この場合はファンに向き合おうとする姿勢がマイナスになります。本人が情報を取捨選択をする能力が低く、言動に矛盾が増える一因になるからです。

同情すべき要素があるとすれば、ストレスがかかりすぎる環境下で判断能力が低下していた恐れがあるということ。人前にたって筋道を通して話しをするためには精神の健全性も重要になってきます。

情報発信によって何が起きるかを考えられず、考えなしに発言をしてしまう状態は黄信号です。この場合はTwitterなどから離れましょう。どうしても無理そうな場合は鍵アカウントを用意するなり、SNS専用の端末を用意するなど使い分けをしてリスクを管理するしかありません。

衝動的な行動が目立つなら病院でカウンセリングを受けるなど、精神の健全性が保てているかチェックしてみるのも方法です。メンタルの病気は意外と身近なものですので。

きぃさんの状況は客観的にみてメンタルの健全性や知識量に対して荷が勝ち過ぎる状態だったので、現状は離れることが正解でしょう。後は何を言ってもたらればです。

まず、きぃさんの心身の状態が良い方向に向かうことを祈ります。

最後に

権利関係の話しを一通り書いてきましたが、世の中に出ると「学んだことがある人も学んだことがない人も平等に扱われる」ことが基本になります。学んだことがなく、何かやらかしても「自己責任」を求められるのが世の中です。

Vtuberとして活動していれば人目に触れる機会が増え、責任や権利関係の知識が求められることも増えます。ファンであればファンとしてのモラルが求められ、その行動の結果がVtuberにも影響を与える場合があります。

人それぞれが権利を持ち、時に対立することもありえるというのもポイントです。内容によっては自衛をしなければ一方的な侵害を受けることもあります。

自分で勉強する以外にも、弁護士などの専門家や法律に詳しい人に情報を聞き、それ以外の情報はシャットアウトするなど工夫も必要です。情報量が多ければそれだけ混乱の元になるため、情報のコントロールができなくなると炎上の火種になります。

条件を満たすことで法テラスで無料の法律相談を受けられる仕組みなどもあるため、初回相談無料の弁護士への相談なども含め、権利の情報は身近な問題として捉えるのがおすすめです。

報道によるプライバシー侵害なども起こりえるからこそ、権利を守る意識は大切になるのです。また、センシティブな情報が含まれる場合はより慎重に行動をしないと思わぬ余波がうまれます。

自分を身を守るためだけでなく、身近な人を守るためにも学ぶこと、対立する権利者に対しても配慮すべきところは配慮する意識も大切です。対立するからと相手を全否定して問題がこじれることも珍しくないからです。

ある程度の矛盾やいい間違え、判断ミスがあるのも人間なので重箱の隅をつつくことに終始すれば健全な議論や会話の環境も出来なくなります。

一度壊してしまうと二度と直せないものもありますので、言葉の重みを考えた上で行動を。時には沈黙することも大切です。


参加者募集中!

現在のメンバー数:882
現在のグループ数:7
現在の記事投稿数:424
あなたもindiVTubersに参加して、個人VTuber界隈を一緒に盛り上げませんか?
デビュー済みの方は勿論、準備中、リスナーさんの登録も歓迎いたします!
登録&利用は完全無料です。詳しくはガイドラインをご確認ください。

スポンサーリンク


相互RSS
0 Comments

Leave a reply

ご意見BOX

何かお気づきの点がございましたら、お気軽にご意見をください。こちらから頂いたご意見は原則回答しておりませんが、全て目を通させて頂きます。

Sending

©2019 indiVTubers

Log in with your credentials

or    

Forgot your details?

Create Account